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こんにちは、相続専門税理士法人ともにの代表社員税理士 入江です。

「相続手続きのうち『相続登記』は自分でもできるのでしょうか?」

このご質問は、当税理士法人で相続税申告のご契約された方から、たびたび聞かれるものです。

答えは

手間や労力を考慮しなければ司法書士に依頼せず自分でできる

となります。

お客様の中には、既に相続登記を終えられて、相続税申告だけ税理士に頼みたいとお見えになる方もいらっしゃいます。つまり、相続登記は専門家でなくても実行可能な作業なのです。

そこで、「初めての相続登記を、司法書士に依頼せずに自分で進めたい」という方向けに、マニュアルとなる記事を準備しました。

記事に沿って進めて行けばきちんと相続登記が完了できるよう、手順や方法を分かりやすく説明しています。ぜひ最後までお読みください。

相続登記の基本

まずはじめに、相続登記の基本的な内容を説明します。

相続登記とは

相続登記とは、亡くなった方が所有していた不動産の登記を、亡くなった方の名義から相続する方の名義に変更する手続きのことです。名義変更に期限は定められていませんし、法的な罰則もありません*。しかし、名義変更せず放置してしまうと様々な問題が起こりやすいです。そのため、速やかに名義変更することをおすすめしています。

(*2020年9月現在)

相続登記の種類

相続登記は次の3種類に分けられます。
【相続登記の種類】

 1.法定相続による相続登記
 2.遺産分割による相続登記
 3.遺言書による相続登記
一般的には、法定相続や遺産分割による登記が多いです。 最近は遺言による相続登記も増えています。

続いて、上記3種類の相続登記の手続き方法について解説します。

法定相続による相続登記

法定相続による相続登記とは、法定相続人全員でする相続登記です。遺言書や遺産分割協議がなく、民法で定められた順序と割合で名義変更したい場合には、法定相続人全員で相続登記の手続きを行います。

遺産分割による相続登記

遺産分割による相続登記とは、相続人全員で誰が不動産を取得するのかを話し合って決める相続登記です。遺言書がなく、法定相続分と異なる内容に名義変更したい場合には、この方法で手続きを行います。

遺言書による相続登記

遺言書による相続登記とは、亡くなった人が遺言書を残しており、遺言された内容どおりに相続登記をする方法です。遺言書を使って相続登記の手続きを行います。

相続登記は自分でできる?できない?

相続登記の手続きは、必ず司法書士に依頼しなければならないものではありません。ただし状況によっては司法書士に依頼したほうがよい場合もあります。自分でできるケースとできないケース、それぞれについて解説します。

自分でできるケース

基本的な相続であれば、専門家に依頼しなくても自分で登記できます。自分でできるケース の目安は、次に示す3つの条件すべてがそろっている場合となります。
【自分で相続登記できるケースの3条件】

 ①相続人が配偶者と子どものみである(戸籍が複雑でない)
 ②相続人が平日日中に時間がとれる(役所関係に足を運ぶ時間がある)
 ③指定通りに正確な書類を作成できる(労力・時間等のストレスに耐えられる)

自分でできないケース

上記とは逆に、通常よりも難易度の高い手続きは、自分では手続きできないケースです。正確に言うと「できない」というより、専門家に任せるほうがよい ケースです。専門家に任せるべきケースの目安は、次に示す条件のいずれかに該当する場合となります。
【自分で相続登記ができないケースの目安】

 ①相続人が被相続人の兄弟姉妹、甥姪の場合
 ②相続関係が複雑な場合(相続人にさらに相続が発生しているなど)
 ③相続人同士が不仲(疎遠)で、連絡が取りにくい場合
 ④登記完了を急ぐ場合
 ⑤被相続人の住民票が発行されない場合(除票となってから5年経過)
 ⑥相続不動産が、被相続人の親名義のままになっている
 ⑦相続不動産が遠方にある場合

相続登記の手続き手順

では、実際に相続登記でどのような手続きを行うのか、書類の準備から登記の完了まで、手順別に詳しく解説していきます。

手順1.相続不動産の調査

まず、亡くなった方が所有していた不動産はどのようなものかを確認します。

相続登記書類には、不動産の地番や家屋番号を正確に記載しなければなりません。そこで相続の対象になっている不動産の地番や家屋番号を確認します。地番や家屋番号を確認できる書類は下記です。

【地番や家屋番号を確認できる書類】

 ・固定資産納税通知書
 ・登記済権利証または登記識別情報通知
 ・登記事項証明書(登記簿謄本)

固定資産納税通知書や登記済権利証が手元にあれば、すぐ確認できますね。

もし手元にない場合でも、いずれにしても登記事項証明書(登記簿謄本)は必要になるので、法務局で取得してください。取得した登記事項証明書(登記簿謄本)を見て、地番や家屋番号を確認しましょう。

もし以前に取得した登記事項証明書を持っていても、再度取得してください。最新の登記事項証明書で、

・名義人などに変更がないか

・他の人と共有していないか

を確認しておきます。

登記事項証明書は全国どこの法務局でも取得できます。費用は1通600円(オンライン送付なら500円)です。

手順2.必要書類の収集

相続登記するためには、他にも必要な書類があります。申請に必要な書類を下表にまとめました。(※金額は2020年9月現在)

書 類 名 取得できる場所 費用 早期準備
必ず必要な書類 相続人全員の戸籍謄本(被相続人死亡日以降のもの) 本籍地の
市区町村役場
1通450円
被相続人の死亡時から出生時までの戸籍謄本 1通450円~750円
被相続人の住民票の除票(本籍の記載のあるもの) 1通300円
対象不動産を相続する相続人の住民票(本籍の記載のあるもの) 1通300円
対象不動産の固定資産評価証明書 不動産所在地の市区町村役場
収入印紙 郵便局・コンビニ・法務局 登録免許税の金額
登記申請書 自作
返信用封筒(赤色レターパックが一般的) 郵便局・コンビニ (レターパック520円)
遺産分割協議を行った場合に必要な書類 遺産分割協議書 相続人作成
相続人全員の印鑑証明書 本籍地の
市区町村役場
1通300円
遺言がある場合に必要な書類 遺言書

印を付けた「被相続人の死亡時から出生時までの戸籍謄本」は取り寄せに時間を要するので早めに準備しましょう。

戸籍は「結婚」「離婚」「転籍(本籍地の移転)」「法律の改正」などによって、その都度新しく作られます。被相続人が、出生から亡くなるまでの間にどれだけの戸籍を持ったかは、死亡時の戸籍を取得し、そこから順番にさかのぼることで判明します。戸籍があるそれぞれの都道府県から取り寄せるため、場合によってはかなりの時間が必要です。ぜひ早めに作業に取り掛かってください。

手順3.登録免許税の確認

相続登記を含め、不動産の名義変更する場合には、登録免許税という税金が発生します。相続登記の登録免許税は、下記の計算方法にて求めることができます。

登録免許税 = 不動産の固定資産税評価額 × 0.4%
不動産の固定資産税評価額は、固定資産税の納税通知書に付いている「課税明細書」に記載された金額を使用します。

例えば、評価額が3,250万円の土地と583万4千円の家屋を相続した場合について、登録免許税がいくらになるかを計算してみましょう。
【登録免許税の計算例】

(3,250万円+583万4千円)× 0.4%=153,336円

100円未満の金額を切り捨てするので、登録免許税は153,300円となります。

上記のように相続登記の場合は、評価額に0.4%の掛け率です。しかし相続以外の売買や贈与等の場合には、2%がかかります。相続時は非常に優遇されていると言えるでしょう。相続時の登記はチャンスと考え、すみやかに手続きを進めるのがおすすめです。

手順4.相続登記申請書の作成

必要書類を集め、登録免許税の計算が終わったら、登記申請書を作成します。

相続登記の種類で解説した、「相続登記の種類」により、申請書の書き方が変わります。実は各ケースの書類様式と記載例が法務局のホームページに掲載されています。この様式と記載例をダウンロードして基にすれば、相続登記申請書(所有権移転申請書)を、自分で作成可能です。

【法務局ページ掲載の不動産登記の申請書様式と記載例】

①法定相続分で登記する場合の所有権移転登記申請書
  ・様式 (一太郎 Word PDF)【R1.5.10更新】
  ・記載例(一太郎 Word PDF)【R1.5.10更新】

②遺産分割協議書で登記する場合の所有権移転登記申請書
  ・様式 (一太郎 Word PDF)【R1.5.10更新】
  ・記載例(一太郎 Word PDF)【R1.5.10更新】

③公正証書遺言で登記する場合の所有権移転登記申請書
  ・様式 (一太郎 Word PDF)【R1.5.10更新】
  ・記載例(一太郎 Word PDF)【R1.5.10更新】

④自筆証書遺言で登記する場合の所有権移転登記申請書
  ・様式 (一太郎 Word PDF)【R1.5.10更新】
  ・記載例(一太郎 Word PDF)【R1.5.10更新】

出典:法務局
相続登記申請書に記入する項目は、10項目あります。各項目の内容と記入方法を確認しておきましょう。
相続登記申請書に記入する10項目とその記入方法
◉項目1:登記の目的
◎被相続人が不動産の所有権全部を持っている場合 【所有権移転】と記載します。
◎被相続人が持つ権利が不動産の共有持分である場合 【〇〇持分全部移転】と記載します。
※〇〇は相続人氏名を書きます。
◎複数の相続不動産のうち、所有権全部を持っているものと共有持分のみ持っているものが混ざっている場合 【所有権移転及び〇〇持分全部移転】と記載します。
※〇〇は相続人氏名を書きます。

◉項目2:原因
【〇年〇月〇日(被相続人の死亡日)相続】と記載します。

◉項目3:被相続人
【(被相続人 〇〇)】と記載します。

◉項目4:相続人(申請人)
相続人の【住所・氏名・電話番号】を記載し印鑑を押します。
※実印ではなく、認印でも可です。

◉項目5:添付書類
【登記原因証明情報・住所証明情報・評価証明書】と記載します。
具体的書類名は不要です。

◉項目6:返却書類の郵送希望
登記手続きが終わると、手順6で解説する3種の書類が返却されます。
書類返却は窓口受取が原則で、窓口で受け取れるなら、郵送希望の記載は不要です。
郵送返却希望なら、申請書にそれぞれ郵送を希望することを記載します。

◉項目7:申請日と管轄法務局
法務局の窓口で申請書を提出する場合は、提出日を記載します。
郵送で申請する場合は、記載不要です。

◉項目8:課税価額と登録免許税
手順3の登録免許税の確認で解説した課税価格と登録免許税を記載します。

◉項目9:不動産の表示
土地:不動産番号、所在、地番、地目、地積
建物:不動産番号、所在、家屋番号、種類、構造、床面積
各項目を記載します。登記事項証明書(登記簿謄本)の内容を書き写します。

◉項目10:収入印紙の貼り付け
項目8で記載した登録免許税分の収入印紙を貼付けます。

手順5.法務局への登記申請

法務局への相続登記の申請には、次の3つの方法があります。

①法務局の窓口で申請する方法

法務局の窓口で申請する方法です。法務局に書類一式と「申請書に押印した印鑑」を提出します。法務局窓口での申請は、相談ができたりもし誤りがあってもその場で対応できたりするメリットがあります。

申請から登記の登録完了までにかかる時間は、だいたい1週間~10日程です。窓口では登記完了予定日を教えてくれます。

予定日以降に、登記申請に使用した印鑑と身分証明書、受付番号のメモ(なければよい)を持参の上、再訪しましょう。登記完了の書類を受け取ったら、手続きは終了です。

②郵送で申請する方法

準備した書類一式を法務局に郵送して、手続きすることもできます。普通郵便ではなく、必ず書留郵便で送るようにしましょう。

郵送のデメリットは、窓口での申請のように、その場で誤りに対応できないことです。このため、不備があった場合に後で対応しやすいよう、申請書に申請者全員が捨印を押しておくことをおすすめします。

申請から2週間後以降に、完了書類を受け取りに行きましょう。あるいは、申請書に返却書類の郵送希望を記載して「返信用封筒と返信用の切手」を同封しておけば、完了書類を郵送で受け取ることもできます。

③オンライン申請する方法

実は相続登記は、自宅やオフィスなどから、オンラインでの手続きが可能です。現在、公文書がオンラインで申請・取得できるようになっており、場合によっては手数料等が低額になるメリットもあります。

ただしパソコンの設定や電子証明書の取得のため、事前準備が必要です。しかしパソコン操作に慣れた方であれば、オンライン申請により、平日の昼間に法務局に出向く手間が省けます。オンライン申請の詳細は、法務省のHPから確認可能です。

手順6.相続登記完了の確認

申請受理後、法務局から返却される書類は次の3種類です。

①各不動産の登記識別情報通知

 →各不動産の登記識別情報通知は、いわゆる「権利書」です。

  1不動産につき1枚発行されます。

  この書類は再発行されないので、絶対になくさないようにして下さい。

 

②登記完了書

  →登記完了書は「登記が申請され、処理が終わりました」というお知らせです。

   こちらは特に使い道はありません。

 

③戸籍等の添付書類

原本還付の手続きを行っていれば、戸籍等の添付書類が返ってきます。

 

なお、相続登記が終わった後に、登記事項証明書(登記簿謄本)は、自動的には発行されません。登記事項証明書(登記簿謄本)が必要な場合は、発行手数料を払って再取得しましょう。

相続登記にかかる費用

相続登記の費用について、まとめておきます。

自分で行う場合の費用

自分で相続登記を行う場合は、次の費用が必要です。
費用種類 金額
登記事項証明書代 1通600円程度
戸籍、住民票、評価証明書代 数千円程度
郵送で申請する場合の郵送代 レターパック、書留郵便代
登録免許税 固定資産評価額の4%

専門家に依頼する場合の費用

相続登記を専門家に依頼する場合の費用を解説します。相続登記の手続きを業として請け負うのは、司法書士です。司法書士に依頼した場合は、司法書士への報酬が、各手続きの費用ごとに加算されます。

司法書士への報酬について特に規定はありませんが、目安はあります。

例えば、

・自宅の土地

・建物1か所

こうした相続登記を依頼する場合、報酬の目安はおおむね10万円前後です。土地の数が増えれば、支払う報酬も増えます。

状況に応じて報酬は変動します。土地が複数の都道府県に存在する場合など、は特に変動が大きいです。このため司法書士へ依頼するなら、契約前に報酬についてもしっかりと確認しておきましょう。

「自分でできないケース」で解説しましたが、通常よりも難易度の高い複雑な登記手続きの場合は、専門家に依頼したほうがよいです。専門家に依頼すれば、スムーズに手続きができます。

相続においては、土地や建物の登記以外にも必要な手続きがあります。ご自身の手間を減らしたいなら、手続全般に総合的に対応できる相続専門の事務所に相談するとよいでしょう。

まとめ

相続登記を自分で行う方法を具体的に解説しました。相続登記の手続きを予定している方は、ぜひチャレンジしてみてください。ただ、ご自分で処理していくうちに、途中で行き詰ってしまうことがあるかもしれません。ご自分だけでは難しいと感じたなら、その段階から専門家へ依頼することも可能です。

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